要旨
私たちの体は、異物となるものが体内に入ってきた時に対抗する物質をつくって、それを排除しようとする働きを持っている。人によっては時に必要以上に反応し、抗体が不適切に作用することがある。これがアレルギー反応である。アレルギーの原因となるアレルゲンはホコリやダニといった誰の生活環境のなかにも存在しているものが上位で、病気や出産を機にアレルギー症状がでたり、食生活の変化、ストレスなどで症状がでることがあるので、現代人の誰もが発症する可能性を持っている。自主アンケートでも実際に3人に1人は何らかのアレルギー症状を持っていた。
情報を集めている中で、アトピッ子地球の子ネットワークというNPO法人を知った。アレルギーに関する電話相談を行ったり、月に一度会報を発行し、情報を提供している組織であり、毎年、アレルギー症状を持っている子供とその家族を対象としたサマーキャンプも開催している。私も2002年度夏のキャンプにボランティアスタッフとして参加した。
アトピッ子地球の子ネットワークの活動を通して、その日食べた食材をはじめ、体調、肌の状態、その日の出来事、使用した薬とその量、天気、気温まで、きちんと記録を付け、体調の変化を自分で管理することの大切さを学び、自分でも記録をつけてみた。
毎日食べているつもりでも、添加物を多く含んでいるものであったり、同じものばかり食べていたのでは体に良くない。実際につけてみると、うどんばかり食べている週や食事の時間が不規則であったり、食事を抜いていたりと自分が思っているより私の食生活は乱れていた。
7月の上旬から始め、2週間くらいつけたところで、だいぶ症状が落ちついてきた。ノートに記録することで、自分自身で食生活を考えなおし、少しずつ改善していった結果だと思う。
私たちの体は食事をすることで、必要な栄養を摂取している。
自分の体と上手に付き合っていくためにはまず、体を形成しているものや、体調の変化の要因を自分自身で知ることが大切である。記録することで、今まで気付かなかったことも見えてくるだろう。 アトピッ子地球の子ネットワークでは、赤ちゃん用ノートを出版しており、ロングセラーだそうである。他の出版社からも、ダイエット用や通院記録ノートなどが売られているが、アレルギーを持つ大人、それも若い女性用ノートがなかったので、自分自身と向き合うきっかけとして"Know Body Note"を提案することにした。
まとめ
伊藤幸治編『環境問題としてのアレルギー』によると現代人の3人に1人とアレルギーに悩んでいる人は多く、自主的に行った女子大学生100名にアンケートでも、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症といった何らかのアレルギー症状をもっている人が3人に1人と、同様の結果が出た。
アンケートによると、アレルギーに関する情報源は、主に医師のアドバイス、病院でもらえるパンフレット、親や知人からの口コミの順に多く、病院とのつながりは大切であることがわかる。実際に病院で配られているパンフレットをいくつか調べたが、アトピー性皮膚炎を簡単に認識するための情報と日常生活の中で気をつけるべきことが記載されてはいても、具体的には何をしたら良いのかなどは書かれてはいないし、子供向けである場合が多かった。
調べていくとアレルギーを抑えるための注意点は色々とあげられる。そこで、アレルギー対策の情報を、文献やホームページなどから調べ、また自分自身の体験談も加えてまとめてみた。
アレルギー対策の商品は衣類から家具、生活用品と多岐にわたっており、とても多い。アレルギー対策の家電製品や寝具を買い変えるのはお金がかかるが、洗剤やシャンプー類を変えるのはそんなに難しいことではない。また、食事などで摂取するものも、少し気をつけるだけ良い。私が得た情報はごく一部に過ぎないだろう。情報は氾濫していて、どれが本当に良いのかは分からない。冷静に見極める目が大切だが、自分だけでは判断できない。その助けとしても、NPO法人アトピッ子地球の子ネットワークや国民生活センターなど、消費者の立場にたって情報を発信する組織の存在は大切だと感じた。アレルギーに対して、神経質になり過ぎず。自分の生活の中で使用するものに気を配ったりすることを楽しむ気持ちのゆとりが大切だと思う。アレルギー症状はなかなか治まるものではないが、日常のケアで抑えることは可能だ。また、症状が良くない時に、自分だけが辛いと考えてしまうこともあるが、情報の場を上手く利用し、マイナスに考えるのはやめ、気持ちをプラスに持っていくと改善も速くなる。
様々な情報を得たが、中でも食物日誌は有効な手段だった。記録することを楽しみ、毎日の自分と向き合うものであった。ただ、アトピー用の記録帳はアトピッ子地球の子ネットワークから子供用が出されているが、他には出ていなかった。記録することに慣れれば、市販のノートなどで代用することもできるが、最初は記録欄があるものが使いやすい。子供用のノートはサイズはA4で、かばんが小さいと持ち運べず、また食後すぐに記入するにも大きくて広げずらいものであった。
提案 Know Body Note
☆Know Body Noteは以下のことを記録するためのノートである。
l その日の食事のメニューとわかる範囲の食材
l 体全体の様子や皮膚の状態など
l その日の出来事やその日の天気
l そのほか気になったこと
l 通院データ
私たちのからだは食事をすることで、からだに必要な栄養を摂取している。
自分の体と上手に付き合っていくためにはまず、体を形成しているものを自分自身で知ることが大切である。記録することで、今まで気付かなかったことも見えてくるだろう。自分自身と向き合うきっかけとして"Know Body Note"を提案する。
実際に7月の上旬からKnow Body Noteをつけ始めたところ、だいぶ症状が落ちついてきた。毎日食べているつもりでも、添加物を多く含んでいるものであったり、同じものばかり食べていたのでは体に良くない。実際につけてみると、うどんばかり食べている週や食事の時間が不規則であったり、食事を抜いていたりと自分が思っているより私の食生活は少々乱れていた。気を付けるようにしたところ、少し良くなってはまたひどくなったりを繰り返すことはあっても症状事態は確実に軽くなっていった。自分自身で食生活を考えなおし、少しずつ改善していった結果だと思う。また、治らないものではないと思えるようになったことも、体調を良くする助けになったと思う。自分で自覚し、行動するきっかけはこのKnow Body Noteであった。次に、記入例を提示する。
この提案が、私のようなアトピー性皮膚炎や他のアレルギー症状で悩んでいる人にとって、何らかの役に立つとしたら、この上ない幸いである。